IR担当に質問する時のコツ

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私がIRに質問する時に大事だと思っていることを列挙します。参考までにどうぞ。

・まず株主であることを言うこと

相手が株数はどうあれ株主であれば対応をきちんとせざるを得ないので、まずは自分が株主であることを伝えます。本当に株主なのか?何株持っているのか?と確認されることはまずありません。

・自分が本気であることを示す

IR担当者も、特に小さい会社であれば財務や総務など兼任している場合が多く暇ではないので、相手次第で対応を変える可能性は高いです。それには、自分がきちんと会社のことを調べましたよ、という証明をすべきです。

例えば過去の決算資料を○○を呼んで○○の質問したい、と言えば相手も、ちゃんと調べて質問してきてるな、と分かるので誠実に対応してくれる可能性が高くなります。特に会社が発表しているデータを出すと詳しい話が聞きだしやすくなります。

・特にBtoBのビジネスをしている会社の場合は、会社の事業内容を確認すると理解が深まる

BtoBのビジネスは小売りや外食のように自分では確認できないので、資料を読んだだけでは分かりにくいです。IR担当もその辺のことは分かっているので、とても分かりやすく説明してくれる場合が多いです。資料を読んだだけではよく分からなかったことも、スッと理解できることがよくあります。

・業績については、会社の想定より良かったのか悪かったのか、またその理由を聞く

株価は会社の業績に比べて上振れするか下振れするかについて、かなり重要なファクターとして動きます。会社の想定より良かった場合、悪かった場合はその理由が大事です。良かった場合は、それがどういう理由で良かったのか?一時的に良かった(例えばコストが減ったとか)のか、継続的に良くなりそうなのかはとても大事な判断材料となります。

逆に悪かった場合でも、それが一時的な理由か継続的な理由かということが非常に重要になります。一時的に悪かっただけなのに株価が暴落した場合は投資チャンスになり得ます。

注意:会社の業績が悪かった場合に、会社は一時的である、という理由付け(願望に近い)をする傾向があります。IRに一時的ですよ、と聞いても鵜呑みにしないで自分でしっかり判断することが重要です。

・株価のことはいっさい聞かない

特に株価が低迷していたりすると、御社の株価はどうなっているんだ!と言いたい気持ちもあるでしょうが、そこはグッとこらえて株価のことはいっさい言わないほうがいいです。言ったとしても、事業に全社で努力して業績を向上してまいります・・としか会社も言えません。株価のことを言ってしまうと、事業に関心があるのではなく、株価にしか興味ないのか・・・と思われてしまいます。

・事実を積み重ねる

例えば1Qの業績が良かった場合に、上方修正しますかねー?なんて聞けば「必要ならばします」ぐらいの回答しか返ってこない場合が多いでしょう。もっと事実を積み重ねて、例年の1Qの成績は○○で通期での進捗率も○○%と過去の平均よりも良いのに、なぜ上方修正しないのか?なにか費用計上するような予定があるのか、あるいは余裕を見ているのか?などと聞けば、より欲しい情報を聞ける確率は高まるでしょう。

・会社の強みではなく弱みを特に聞く

会社は事業の強みについては説明が慣れているし、資料を読めばいくらでも出てくるので、むしろどういう部分が弱みや課題であるかを聞いたほうが有意義な情報が聞ける場合が多いです。(有価証券報告書には「対処すべき課題」「事業等のリスク」という項目があるので、投資をする前にはチェックすべきです)

*会社説明会やIRフェスタなどで社長が自分の会社を熱く語ると、ついつい魅せられて株を購入したくなることがありますが、社長は自分の会社をアピールするのも仕事なので、若干割り引いて冷静に聞いたほうが良いです。

・中ボス以上を狙う

IR担当者は複数いる場合が多いので、担当者でも??な人にあたるケースもあります。自分が本気でその会社を調べるなら、ダメ元で「数字のことも色々聞きたいので、対応できる方をお願いします」と言って代わってもらうことも必要だと思います。

IRフェアなどでは、ブースに行く前にボスっぽい人に目をつけておいて、ボスが空いている時を見計らって突撃します。(見た目だけボスっぽくて違う場合もそこそこあります笑)

・質問したい内容は事前にまとめてメモしておく 聞いたことは必ずメモする

特に質問する内容がバラバラにならないように、まず事業内容、次に競合関係、直近の業績、株主還元、それ以外といったように順番を考えておいてスムーズに会話ができるようにします。内容が多岐にわたる場合は、覚えているつもりでも忘れる場合もあるので必ずメモを取ったほうが良いです。

・小売業や外食など、月次を公表している場合は、決算の業績予想を月次何%で立てているかを聞く

ほとんどの小売り・外食系は月次を公表しているので、会社の決算を自分で予想する場合に、例えば既存店の月次成績を何%で予想を立てているのか?と聞くと教えてくれる場合があります。その情報があれば実際の月次と比較するだけで、会社の業績予想よりも良い(悪い)決算がでてくるかを高い精度で予想することが可能になります。

・東証1部昇格の条件を満たしている場合は、聞くと答えてくれる場合もある

東証1部に鞍替えをした場合には株価が上昇することが多いので、東証1部に行く気があるのか聞いておいて損はないです。行く気が無い場合は「予定はないです」とはっきりと否定する場合が多いです。答えてくれない場合でも「ノーコメントです」とか「そういう質問には答えられません」という回答の場合は、すでに申請中であったり、行く気満々な場合が経験上多いです。

・最後に聞きたかったことをそっと聞く

IR担当ももうすぐ終わるな、と思うとホッとして気が緩むので、最後に聞きにくいことをそっと聞くと、ポロッと話してくれるかもしれません(笑)

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