新興市場の株式投資

ピーターリンチの判断基準

ピーターリンチはなぜこのような基準を作ったのか?彼の著書「ピーターリンチの株で勝つ」を参考に自分の言葉でまとめてみました。(私の主観も入っているので注意してください)

@面白みのない、または馬鹿げた社名

社名が地味だと投資を躊躇する人がいる。その分株価は割安になるために本質的な価値よりも安く買える。ピーターリンチの本では、アメリカの企業の社名が出てくるが、日本で言うと○○工業所とか○○製作所のような、いかにも地味な社名が該当する。

名前だけで「うあ・・・」と思わず絶句したくなったり、怒りが沸いてくるような社名は最高だ。また外食産業などで社名と店舗名が一致しないこともピーターリンチ基準ではプラスになる。

*私のポートフォリオでは、幼児活動研究会 ディーブイエックス シイエム・シイ アークランドサービス 小田原機器などが該当しそうだ。

A変わり映えのしない業容

変わり映えがしない、人目に付かない地味な銘柄は、多くの人が、その会社の存在自体に気が付くことが遅れるために、割安で放置されがちになる。

人目につきやすい業種や、人気化している会社などは、それだけで株価を押し上げる要因になる。

B感心しない業種

ピーターリンチは、思わず肩をすくめたり、吐き気をしたり、顔をそむけたりしたくなるのが理想的だという。そのような会社の株は安く放置される可能性が高い。

感心しない業種・・・なかなか判断が難しいところですが、逆に言うと人々に感動を与えるような会社は高い評価を受けやすいので注意が必要

C分離独立した会社

大企業の子会社は、株式の多数を親会社が握っている、というだけで株価が安くなる。しかし子会社の中には独立精神に富み、徹底したコスト削減により停滞する親会社をよそに大きく飛躍する会社も出てくる。

子会社の中には、完全に親会社の言いなりになって飼い殺されている状態のものから、独立性が高くグループ外からも優秀な人材を集めている会社などがある。これらは有価証券報告書の役員の履歴が参考になる。また親会社との取引関係にも注意を払う必要があるだろう(これも有価証券報告書で見れる)

D機関投資家が保有せず、アナリストがフォローしない会社

機関投資家がすでに保有している場合、その会社がある程度知名度があり社会的に知られている場合が多い。機関投資家に知られていない銘柄の中にこそ本当のお宝が眠っている可能性がある。

逆に言うと、機関投資家が(やむを得ず?)叩き売っている銘柄はチャンスといえるのかもしれない。

E悪いうわさの出ている会社

悪い噂が出てくる企業はそれだけで株価が安くなりがちである。しかしそれらの噂が真実ではなかったり、小さな事象を誇張されているに過ぎなかった場合には、それらの企業は大きなリターンをもたらす場合がある。

インターネットの掲示板や2ちゃんねるの書き込みだけでなく、例えばマスコミや週刊誌に叩かれている会社などは、実際にひどい場合もあるが(笑)それ以上に叩き売られる場合が多い

F気の滅入る会社


社会がタブー視するような業種の会社は(例えば死を扱うような業種)、それだけで株価は安くなりがちである。しかしこれらは人間にとっては必要な事業であって、決してなくなることは無い。それゆえに、これらタブー視される業種の中から驚くほど大きな成長をする企業は出てくる。

G無成長産業

多くの人は今後成長が期待される業種に目が行ってしまう。しかし明らかに成長が期待される業種は、それ以上の新規参入者が出てきて、思った以上に競争が激しくなる場合が多い。

ピーターリンチは、むしろ誰も目を向けないような無成長産業の中から、大きく飛躍する企業は出てくるものだ、と述べている。

Hニッチ産業

ピーターリンチはニッチで独占的な会社をいつも探しているという。その理由はニッチな市場を独占している企業は価格決定権を有するからだ。

ニッチで、プラス営業利益率に着目すると、その企業の競争力が見えてくる場合がある

I買い続けねばならない商品

玩具メーカーよりは、生活必需品を扱っているような会社を選ぶべきだと、ピーターリンチはいう。玩具などは流行が終わってしまえば、それっきり売れなくなってしまう。次から次へと新しい流行を生み出さなくてはならない。それに比べて必需品を扱っているビジネスは、その需要が消滅することは決してない。

Jテクノロジーを使う側であること

テクノロジーを開発する側は、多大な研究開発費をつぎ込み、さらに競合する他社と激しい競争に勝ち抜かなくてはならない。

むしろそのような、一見華やかで注目される企業よりも、それら開発されたテクノロジーを活用してコスト削減を実現できるような企業に投資すべきである。

Kインサイダーたちが買う株

企業を最も良く知る人間はインサイダーたちである。インサイダーたちが買い増ししている会社の株の見通しが悪いはずはない。

有価証券報告書の役員の項目には、各人の株式保有数が細かく書かれているので、チェックしてみよう。また大雑把に見るだけならば、四季報などで時系列に見ると良い。

L自社株買戻し

ピーターリンチは自社株買いは、株主に報いるもっとも簡単で最良の方法だと述べている。

自社株買いを実施する企業は、比較的財務に気を使っているとか、投資家目線であるという特徴もあると思われる。発表するだけして、ほとんど実施しないような会社には注意



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